セカイサプリン

Xenoblade2に関する覚え書きや個人的考察。ゼノブレイドシリーズの他の作品についてもたまに書きます。

仮説:サイカとゲンブ、ルクスリアとアーケディア について

(※個人の推測です。実際の設定とは異なる可能性があります。ご了承ください。)


ゲンブの制御に何故サーペントのコア(サンクトスチェイン)が必要なのか?
サーペントのコアは後付けだ。元々はそんなものがなくてもゲンブを制御可能なはずである。
何故デバイスのコアが巨神獣の制御にも使えるのか?これは、デバイスも巨神獣も、コアクリスタルという物質を核として形作られたものだからだと思われる。


そもそも、サーペントのコアは何をしているのか?おそらく、“一定の指令を巨神獣(ゲンブ)に出し続けている”。具体的には「特定の間隔で潜行と浮上を繰り返すこと」と思われる。
では、元々その指令を与える役目をもっていたのは「何」なのか?それがサイカ(のコアクリスタル)だったのではないか?
つまり、サイカは作中のゲンブの頭にある遺跡の、サーペント制御コアが置かれていた場所にあったコアクリスタルだったのかもしれない。
イカはゲンブから発生したコアから生まれたブレイドと思われる。古代のゲンブで生きていた人々は、頭部にあるサイカ(またはそのコアクリスタル)を通じてゲンブを制御していた。この時のサイカブレイドの状態であるか、またはコアクリスタルの状態であるかは判断しかねる。
しかし聖杯大戦が起こったことで、ゲンブもまた大戦の傷を受けた。(ゲンブとイーラは周回軌道において距離が近かったのではないだろうか?その為大戦の傷を受け、イーラが沈んだ際の人々の移住先となったのだろう。)イーラのように沈んでしまう程ではなかったものの、戦いで傷ついたゲンブは、そのサイカのコアのみでの制御が困難になったのかもしれない。
そこでルクスリアの始祖達は、ゲンブの制御にサーペントのコアを用いた。
このコア、「サンクトスチェイン」は上に書いた通り「一定の指令を与え続けることができる」機能を持つと思われる。サンクトスチェインとサイカ(またはそのコアクリスタル)の両方を用いて制御することで、傷を負ったゲンブを操作可能にしたのかもしれない。


「ゲンブの制御」という特殊な能力を持つサイカジークの出会いが偶然によるものとは考えがたい。そのため、サイカのコアクリスタルはこの後「もう一つの制御端末」としてルクスリア王家に伝えられたのではないか。

ゲンブも巨神獣、生物である。上記の仮説が正しいとして、大戦で受けた傷で困難になった制御の補助の為サンクトスチェインを用いたとしても、大戦から500年が経過した今は、恐らくゲンブの受けた傷は(痕は残ったものの)癒えていると思われる。
この為、第6話でエネルギー逆流により暴走したあと、修復されたサンクトスチェインを持ち出しても、サイカのみでの制御が可能だったのだと思われる。(マルベーニによって世界樹近くまで強制移動させられたゲンブにサイカは言葉を送り、制御しようとしている。この時は成功していないが、逆に言えば、マルベーニやカスミの力さえなければサイカのみでの制御が可能なのだということを示しているのであろう。)


《サーペントに関する流れの整理》
・ヒカリが大戦において戦力として使用。
・大戦中、(恐らく)メツによって沈む。
・サーペントはコアが内蔵されたまま、イーラまたはゲンブの付近で沈んだと思われる。
・大戦後、ルクスリアの始祖がサーペントを収得。
・ルクスリア始祖は壊れたサーペントからコア(サンクトスチェイン)を取り出し、それを「利用し」ルクスリア王家を起こす。
・そしてサンクトスチェインはゲンブの制御に流用。

サンクトスチェインはサーペントのコア。そして、サーペントは「天の聖杯」ヒカリのデバイス。ヒカリのドライバーはアデル・オルドーであり、これらを踏まえると、サンクトスチェインは「イーラの英雄アデルのブレイドであった天の聖杯が行使したデバイスの制御端末」となる。
つまり、サンクトスチェインに(ヒカリを通じて)英雄アデルを結びつけ、「これこそが英雄アデルの血脈の証」と掲げてルクスリア王家を起こした──と考えられる。

 

《サーペントが与えられた命令について》
歴史上では「ルクスリアがサーペントのコアを取得した際に『何人たりとも世界樹に近づかせるな』という命令を与えた」ことになっている。
しかし、6話での首脳会議でマルベーニは「大戦以降、人間達は世界樹へと渡ることを禁忌とした」とも言っている。
これらに関してゼーリッヒは特に触れていなかった。彼がサーペントに関して話したのは「偶然得たサーペントのコア、サンクトスチェインを使ってルクスリア王家を起こし、ゲンブの制御へと流用した」ことのみである。命令を与えたか否かについては肯定も否定もしておらず、不明瞭である。

疑問なのが、「なぜルクスリアはゲンブではなく『世界樹に』近づかせるなという命令を与えたのか」である。「世界樹に誰も近づかない」という状態は、ルクスリアにどのようなメリットをもたらしたのか?そもそも、メリットが存在するのか?
果たしてルクスリアは本当にサーペントへ命令を与えたのだろうか?

サーペントの力は強大であり、これを復活させたのがルクスリアであるならば、ルクスリアとゲンブを護る、大きな戦力とすることもできたはずである。しかし実際はそうなっていない。
では、それは何故か?


ルクスリアは、「アデルの名を利用しルクスリアを起こしたという国の成り立ちを秘匿する代わりに、アーケディアへのコアチップ献納を行う」ことをさせられていた。
コアチップは国家のエネルギー・軍事政策に欠かせないものであり、アーケディアは献納をさせることでルクスリアの抵抗力を弱めると同時に法王庁の戦力拡大を図ったということになる。

また、作中でアーケディアは「ルクスリアの歴史の秘匿と引き換えにサンクトスチェインの供出を迫った」。
同じ条件の中、さらに強請りをかけたのである。

このことから、アーケディアはルクスリアに対し500年前にもサンクトスチェインの供出を迫った可能性がある。
しかし、サンクトスチェインを用いてルクスリア王家を起こしたルクスリアはそれを明け渡す訳にはいかず、拒否した。その為、代替案としてアーケディアはコアチップの献納、そして『サーペントに、世界樹に誰も近づけるなという指令を与えること』を迫ったのだと考えられる。

マルベーニは作中でも『何人たりとも神の元へ行かせはしない』と発言している。何者かが世界樹を登って「困る」のはマルベーニ(アーケディア)だけである。

混乱し疲弊していたイーラの生き残りの民であるルクスリアはアーケディアに抵抗する戦力を持ち合わせておらず、その条件を飲まざるを得なかったのではないか。